心の豊かさの宝庫 高校演劇 | 高橋 良明 |
平成十三年度活動報告 | 大石 和彦 |
リーダー研修会を終えて | 島貫 文博 |
生徒実行委員長として | 菅原壮一郎 |
東北大会に出場して | 瀧原美樹 |
生徒実行委員という仕事 | 小崎宗冬 |
怒濤の四日間 | 山本 愛 |
1.「成果と課題」 後述も致しますが、何と言っても東北大会を成功の内に終えることができたこと が、本年度第一の成果でありましょう。 私達が、過去2回の宮城大会から引き継いだ最大の課題は、「定時上演」と「大 会黒字運営」の実現の二点でありました。 「定時上演」については、3年程前から、先進県の視察等を含め、舞台運営組 織とその分担任務内容を総点検し、県大会や地区大会でそれを試行する等々、 本県協議会として相当の時間と精力を注いできました。その結果として、顧問団 の熱意と献身的な努力のおかげで、これらの実現が図られたことは疑いがあり ません。誠に頭の下がる思いであります。 また、「大会黒字運営」の課題についても、現下不況のおり、その実現は大い に懸念されておりましたが、会長はじめ大会事務局及び各地区事務局の奮励に より、最終的に赤字にならずに運営が図られました。誠に喜ばしい限りです。 そして、これは大会事務局の働きに拠る所が大なのですが、観客動員数にお いても、ほぼ全上演が満席に近い伏態での大会でした。6年に1回の大会の成 功が、全顧問団の一致協力によって果たされたことは、誠に感慨深いものがあ ります。先生方及び生徒諸君にこの紙面を借りてあらためて深甚の謝意を表明 したいと思います。 そしてまた、「課題」もあるように思います。確かに古川女子高の全国大会出 場の偉業を初めとして、近年は創作意欲が高まり、各大会のほとんどを創件作 品が占めるようになりました。そのこと自体は大変結構なことで、推奨すべき事 でもあるのですが、それとは裏腹に、演技の基本とでもいうべき点が、少々軽ん じられているように思うのです。 例えば、台詞と身体がバラバラな台詞回し、説明的に過ぎる物言い、一貫性 のない話し方、そして相手役の不在を感じさせてしまうような台詞のやり取り等々、 問題は多いように思います。 台詞は、物埋的論理的かつ心理的に、観客にきちんと伝わらなければなりませ ん。その上で、役者は役を生きなければならないのだと思います。 難しいかも知れませんが、演技のリアリティーを確保する為の演技訓練はもっと もっと必要だと思うのです。 その為には、我々顧問団の知見も高めなければならないのでしょう。その意味 でも、たくさんの素敵な芝居により多く接したいものです。尚、今年7月のリーダー 研修会は、演技の基礎訓練をテーマに実施する予定です。 2.大会各種 @地区大会(6地区合計参加四七校) 泉宮城野(9)、青葉(10)、若林太白(5)、北部(8)、南部(6)、東部(9)。 仙台3地区は、平成十四年度より地区別に3会場での分離開催となります。某 地区大会で、誠に残念なことに上演妨害的行動が見られ、その対応策が総会に 提案されます。 A第三十九回 県中央大会 十一月下句、仙台市青年文化センター。 6地区代表各2校が出場。泉松陵、黒川、宮城広瀬、仙台女商、向山、仙台東、
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昨年十二月に宮城で東北大会が行われました。まずここで他県から宮城県に来てくださったみなさんに心から感謝を申し上げたいと思います。 僕は今回の東北大会宮城大会において特別な関わり方をしました。芝居をやる側でも見る側でもなく、生徒実行委員としてです。生徒実行委員会が何をしていたか知らない人もいると思いますが、仕事としては舞台裏で舞台係、照明係、搬出搬入係が働いており、また速報係が出場校へ取材、写真係が写真の現像と掲示、そして総務が式典関係や速報管理、その他庶務全般をしていました。その他にも駐車場係などいろいろありましたが、毎日70人ぐらいの人達が生徒実行委員として働いておりました。僕はこの仕事をやることにより、沢山のことを感じました。今回はその中のひとつを話したいと思います。 今大会は県内からだけでなく、県外からも出場校以外の人達が沢山きていました。そのため満席にならないだろうと思っていた多賀城市民会館大ホールの千以上もある座席もほぼ埋まり、僕は東北だけでも演劇に関わっている人がこんなにもいるのかと思いました。これは僕の予想の域を越えていてたいへん驚きましたoでは、これほど多くの人達が関わっている演劇というものは何なのでしょうか。 それは交流の場だと思います。演じる側が演技を通して観客に働きかける。観客はその演技に対して反応を示す。まるで会話のようです。だから、役者の表現に対してさまざまな反応が反ってくる。受け手が違うから当たり前のことです。みんなが同じようなことを言ってても会話は楽しくありません。さまざまな受け手や表現者がいるから楽しいのです。 今大会はそういう意味でたいへん楽しいものでした。このことは生徒実行委員として演じる側、見る側の両方を見ないとわからないことでした。そう考えさせてくれた東北大会とこの仕事に感謝したいと恩います。 |
東北大会。この言葉を聞くだけで、あの怒涛の四日間の思い出が鮮明に蘇ってきます。 おそらく、舞台関係のどの人に感想を聞いても、同じ答えが返ってくることでしょう。「忙しかった、でも楽しかった。」と。私のような人間でも責任者としてやることができたのは、ひとえにこう応えてくれるみんながいてくれたお陰です。何故なら、裏方にとって必要なのは「連携」だからです。 裏方の仕事は、舞台・照明・搬出搬入が互いに邪魔にならないように、スムーズに行わなければなりません。なにしろ私たちの仕事の出来いかんに、仕込みの時間をどれだけ減らせるかがかかっているのですから。 私達に与えられた時間は二十分。仕込みに十五分、バラシに五分という内訳になりますが、コンクールを経験したことのある人なら、これがどれ程すさまじい時間か、お解かりいただけることと思います。一日に六校の上演をこなさなければならないとはいえ、通常は三十分から四十分使えるところを約半分の時間でやらなければならないのです。生徒実行委員会で「今年は二十分でやってくれ」と言われたとき、「できるかあ」という叫びが心の中に響いたものでした。 |
編集後記 ようやく「みやぎ高校演劇」第十九号が発行の運びとなりました。 しかしながら、今回は生徒諸君から四通の原稿をいただき、久し
こやま |