演劇部の立ち位置
高校野球には、朝日新聞と言うスポンサーがついていて、新聞では大きく取り上げられ、テレビやラジオでもたくさん報道されます。夏の甲子園は生放送で見ることができて、日本の夏の風物詩でもあります。公式野球部は高校にある部活動の中では、最も注目されている部活動なのは動かしがたい事実です。
そこへ行くと、演劇部はどうでしょうか。新聞ではほとんど紹介されず、テレビやラジオでもあまり取り上げられません。
更に言うと、ごく一握りの高校を除いては、学校内でも知名度が高くありません。年に1回の地区大会に来てくれる学校関係者が数えるくらいしかいない事がそれを証明しています。
演劇部員はステージでスポットライトは当たるけど、陽の当たらない部活動なのではないでしょうか。
きっと部員たちは、そんなことに気づきたくはないけど気づいていると思います。
しかし、演劇部には言葉にできない魅力があると感じている生徒たちがいる事もまた事実なのです。
その魅力を理解できる人を一人、二人と増やしていくことが演劇部の市民権拡大に寄与していくと思うのですが、なかなかそれを伝えることができません。
高校/学生演劇クロニクルで
先日、高校/学生演劇クロニクルと言うイベントに出さしてもらいました。そこでこんな話をしました。
演劇という舞台芸術は動画になったら魅力が半減どころか伝えたいことがさっぱり伝わらなくなるのです。だから、メディアとは相性が悪いのです。
メディアと相性が悪いという事から、この情報化社会の中では、どんどん取り残されていってしまっています。
演劇が市民権を取り戻すためには、メディアをうまく活用しなければいけないのではないかと。
役者は自分の体を使って、自分じゃない人物を演じる。
自分の中に感情を生み出し、それを表現する。
そして目の前には、観客。
スポットライトが当たっているから、客席の様子はあまり分からないけど、客席からの反応を感じながら、何かに取り憑かれたように、本当の自分とは全く異なる別人格を自分の中に感じる。
現実世界で起こり得ること、起こりえない事、どんな事でも表現しようと思えば出来るのが本番のステージ。
それを効果的に見せようと、頑張る裏方。
その場で生み出される空気により、人は感動を覚えるのだとすれば、そう言う経験は言葉では伝えられないし、写真でも、動画でも伝えられない。
その場にいた人しか味わう事が出来ないのが演劇。
そんな演劇の魅力を、間接的に伝えることは可能なのだろうか?
可能か不可能か分からないけど、うまく使えば、インターネットは、そのためのツールにはなるんじゃないかと思うのです。
そのために必要なのは、情報発信力だと私は考えました。
演劇部や劇団の制作・広報担当はもちろんのこと、役者でも裏方でも、これからの情報化社会を生きていく上で必須のスキルになるのが情報発信力ではないでしょうか?
SNSにアカウントを持っていても、誰かをフォローして情報を受け取るだけの人。情報発信していません。ただリツイートするだけの人。情報発信していません。鍵アカの人も特定の人にしか発信していません。そう考えた時、一体どのくらいの人が、情報発信していると思いますか?一説によれば、1割程度なんだそうです。
私は、演劇関係者の情報発信力を3倍にしたら、演劇の市民権も3倍になるような気がしているのです。
私の考えが一理あるなと思えたら、あなたも今日から情報発信してみませんか?
演劇に関することじゃなくても良いのです。自分の好きな事や興味のあることで良いのです。
そして、タイミングが来たら、演劇のことも少し情報発信して頂けたら、裾野が広がっていく気がしているのです。そして、私はその旗振り役を自ら買って出ています。世の中から必要とされているかどうか分かりませんが、情報発信力はこれからの社会で必要なスキルだと思っているのです。
記事を書くの大変だなぁと思うかもしれません。ここは脚本のストッカーですから、オリジナル脚本のアップロードをしたら、ものすごい情報発信になると思うのです。大会で演じた脚本をアップすれば、絶対誰かが読みます。
しかも、脚本用テンプレートを使えば、ほんの数分で出来ちゃいます。
もしかしたら、その脚本に「いいね」が付くかもしれません。
大会で上演して終わりじゃなく、もう一度、脚本に役目を与えてみるっていうのは、いいと思いませんか?
ちょっと、話がずれてしまいましたが、情報発信しなければ、演劇がどんどんマイナーになってしまうと思うのです。
THE高校演劇の進化
情報はSNSを使えば簡単に発信できます。しかし、SNSで発信できる情報は、時間とともに流れていきますし、まとまった情報を発信する事は苦手です。
WEBサイトを使えば、まとまった情報を発信できますが、個人で管理するには大変です。ある程度の知識やスキルも必要です。
その知識やスキルは一朝一夕で身に付くものではありませんから、私も少しずつ勉強しています。
THE高校演劇を訪れる方の半数以上は、サーチエンジンからの訪問です。訪問してくれた方が、価値のある情報源だと思ってもらえたら、そんな嬉しいことはありません。
演劇関係者の情報発信力向上にTHE高校演劇が一役買えるように、今後も進化を続けていきたいと思います。
コメント